函館の港(その1)

 

 

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現在の函館湾(左)と宇賀浦(右)

箱館の港

 箱館が国際貿易港として1859年に開港する以前から、箱館蝦夷地(志海苔、宇賀)の昆布の若狭方面などへの出荷の拠点として、極めて重要な港になっていました。
 このため、当時の箱館港の海岸沿いには、問屋や倉庫がずらりと軒を並べていたようです。

 ここでいう「海岸」とは、現在の函館港の様子と比べて、海岸線や景観は違うものの、場所としては現在の「レンガ倉庫」の辺りから弁天(函館どっく)の間だと思われます。


 そして、この頃、箱館での交易が盛んだった証として、近年、志海苔館付近から多量の古銭が出土しています。出土した3個の古甕から出てきた夥しい古銭からして、当時の箱館が、若狭(越前、能登)方面などと交易が盛んで、それらのお陰で商人たちは、かなり潤っていた様子がうかがえるものです。

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志海苔古銭(函館博物館資料)

 

港町の構成

 大きな港と小さな港、新しい港と古い港など、それぞれの港が成立した時代背景や地形の違いもあるので、港は千差万別です。
 ただ、昔の海上交通を担っていたのは、船であり、その船を操るのは船乗りだというのは共通していました。
 このため、各地の港の「使い勝手」自体も、それぞれの港の特徴はあるにしても、自然に似通ってきてしまいます。


 それは、「船」「交易品」「商人」「船着き場(荷上場)」「生活必需品」「水」「嗜好品」「娯楽」というような、港を構成する要素の配置が、多くの港で似通っているからです。

 すなわち、荷揚げ荷下ろしの場合、大型船は沖に停泊し、小型船(はしけ)と呼ばれる輸送用の小舟が使われます。

 そして、商店の店舗や倉庫は、その小舟が着く船着き場(海岸や岸壁)から最も近く、かつ安全な場所に建てられます。
 さらに、その商人の店舗や倉庫の裏には、商品を産地から輸送し、倉庫へ格納するための交通路が発達します。


 そして、その交通路の反対側や、港から見てさらに一本奥の道路には、雑貨屋や船員用食堂、ホテル(旅館)、居酒屋などが建てられます。
 さらにその奥には地元住民の家屋や、少し離れたはずれには遊郭などが出来たというのが、昔の一般的な港町の構造です。

 箱館がそうでした。

 したがって、箱館、横浜、長崎のみならず、比較的大きな港はこのような形になっていました。これならば、全国各地の港町を渡り歩く船乗りさんも間違ったり、戸惑ったりすることも無いというものです。
 どうも、コンピューター・シミュレーションゲームの「シム・シティ」(町の中を様々な要素と機能で、次々と建物などを配置していくゲーム)の時代劇版みたいになってしまいました。

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函館レンガ倉庫

箱館の場合

 若狭方面からの船は、ほとんどが沖泊まりでしたので、箱館湾の西部地区海岸沿いには道路があり、その山側には商人の店舗や造船所、倉庫がひしめき合っていました。


 また、更にその一本山側の道路が、現在の「十字街」電停から「函館どっく前」電停を結ぶ函館市電の経路になります。
 この道路の両側には、商店や事務所、銀行のような様々の店舗がありました。

 そして、市電の「大町(おおまち)」電停から「函館どっく前」電停にかけての、更に1本奥の道路が庶民相手の商店街ともいえる所で、昔は非常ににぎやかな場所でした。
 ここは、昭和の半ばまで大変栄えており、特に夜も明るく、週に何度かは夜店(よみせ)と呼ばれる露店や出店の列がずっと続いていました。煌々とそれらの店の電球が照らす道路は、当時、人でごった返していました。

 現在では、全くその面影はなく、道路沿いの家屋の正面はシャッターや雨戸ばかりが続いていますが、数十年前までは、極めて繁栄した商店街でした
 時間に余裕のある方は、歩いてみては如何でしょう。

 ここの街並みは、当時の様子を思い浮かべると、何となく不思議な思いに包まれます。
 
 そして、箱館が国際貿易港として開港した頃には、現在の海上自衛隊函館基地隊の場所に箱館税関」がありました。
 当時、その横の岸壁から出て、沖に停泊する米国艦船に忍び寄り、命がけで密航を図った青年がいました。

 それが、同志社大学を開いた「新島襄」です。

 それら箱館時代の(セピア色の)写真については、インターネット上の「函館市中央図書館」の「デジタル資料館」に多数収蔵されていますので、函館観光リピーターさんのみならず、函館市民の方も必見です。

 函館市中央図書館所蔵デジタルアーカイブ

 

函館観光リピーターさんへの豆知識

 今回は、「函館のカニの選び方」について書きます。
 そうです、あのおいしい函館名物のカニです。

 朝市などでも、「タラバガニ」「毛ガニ」「花咲ガニ」「ズワイガニ」などたくさんの種類のカニが、威勢のいいお兄さんやお姉さん(あえて、「おばさん」とは言いません)達が売っています。
 でも、ひょっとしてリピーターさんの中にも、冷凍したカニを買って帰って、家で解凍したら随分水が出てきて、肉はほんの少しだけだった・・という苦い経験をされた方もいるかも知れません。そんなときは、本当にガッカリしますね。

 では、カニの素人にも分かる選び方を説明します。
 結論から言います!
「甲羅の汚いカニを買うこと」です。フジツボか何かが一杯ついているのが最高です。
 その理由を説明します。
 カニは、生涯を通じて何度も「脱皮」します。
 すなわち、カニは何度何度も脱皮を繰り返して、段々大きくなっていく訳です。
 そうすると、脱皮をする直前のカニは、肉が「パンパン」な「はち切れんばかりの状態」ということになります。
もうお分かりですね。したがって、脱皮直前のカニの甲羅は当然、「古くて汚い」んです。
 ですので、函館の大型スーパーなどで、自分でカニを選んで買う場合は「甲羅の汚いカニを選んで下さい。