函館のカレー
函館のカレーといえば「五島軒」のカレーが全国的に有名ですね。
割と大きめのスーパーだと、何処にでも「五島軒」の「函館カレー」(レトルト)は並べられています。
しかし、実はそれも最近のことなんです。
函館人に「地元の美味いカレーと言えば・・」と聞くと、昔だったなら、だいたいは「小いけ!」と即返ってきました。
ただ、このごろでは「ラッキー・ピエロ」のカレーが好きな方も多いようで、更に、近年は札幌から「スープカレー」も進出してきましたので、函館のカレーグルメ地図も塗り替えられつつありますが・・。
しかし、根強い人気は、やはり「小いけ」のカレーです。
一方、先程の「五島軒」は、函館人のカレーの好みとしては少数派だと思います。
ですので、観光客の皆さんが「本場函館に来たら、五島軒のカレー!」というと、否定はしませんが、函館人にとっては不思議な感じがします。
その理由として、「五島軒」は、函館人にとっては「別格中の別格のレストラン」の印象が刷り込まれているからです。
市内の他の歴史の浅い「高級ホテル」とも違い、結婚式や法事など、割とフォーマルな用途で利用される印象が強いため・・ちょっとカレーとは結び付きづらい・・。
どちらかと言えば「五島軒」は、函館人にとっては「愛すべき敷居が高いレストラン」です。
そんなところもあり、私個人的には、観光客の方がカレーを食べるなら、是非、小いけのインドカレーをお勧めします。
しかし、そこで出る疑問が「どっちが本家?迷っちゃう・・」です。
カレーの小いけは2店あり、2店とも十字街と宝来町の市電電停の中間にあります。
そして、2店の距離は約20mしかないという・・絵にかいたような「本家争い状態」です。
説明しますと、市電の電車道路に面した比較的新しい店舗が「印度カレー 小いけ 本店」(写真上)で、横の路地を入ったところにある黄色い古い店舗が「元祖 印度カレー 小いけ」(写真下)です。
本店の方は、亡くなった先代の身内の方が新しい場所で営業を開始し、元祖の方は、元々の場所で、そのまま元従業員の方が営業しているということです。
私は、もちろん両店とも入って食べてはいますが、先代の味に近いのは「元祖」のような気がします。そして、「元祖」の方は、「カレー百名店」にも入っています。
ただ、正直な感想で言うと「やはり先代の方が、抜群に美味しかった」気がします。
函館市内のお土産店などで売っている黄色いパックの「小いけ カレー」は、「本店」のレトルトカレーです。
「元祖」の方はレトルトを出していませんが、冷凍したものを販売していました。
それと、「元祖」店内でカレーを食べていると、ちょくちょく「カレー・ルー」だけ、鍋をもってきて注文し、そのまま鍋に入れてもらって持って帰る人も目にします。
これも、昭和の様な不思議な光景です。
言うなれば、それほど「小いけ」のカレーを愛している函館人がいるということでしょうか。
味の違いは、ネットで確認して行ってみてください。こればかりは好みですので何とも言えません。
ただ、来店の際は営業時間に注意して下さい。
元祖の方は、「11:00から15:30」までです。
本店の方は、「11:00から21:00」までです。
「元祖」の方の営業時間は、段々と随分短くなってきたので、そのうち閉めるつもりなんだろうかと勘ぐってしまいます。
十字街交差点の不思議な塔
さて、これは何だと思います?
実はこれ、市電の「操車塔」なんです。
「操車塔」は線路の切り替えや、信号による交通整理をする所です。
どうです? 見た目、なかなか可愛いでしょう。
現存する路面電車では日本最古の「操車塔」らしいですよ。
これは、今は使われていませんが、昔はここに交通局の人が梯子を昇って行って、この中で電車線路の切り替えをしていました。
狭くて大変だったと思います。
そして、冬場になるとですね、どういう訳かこの十字街交差点の辺りで、良く「市電が脱線」していました。たぶん、雪や氷のせいです。
すると、何人か交通局の人がやって来て脱線電車をレールにすぐ戻す、みたいなことが日常茶飯事でした。
その都度、乗客は降ろされて待たされました。
「おいおい、またぁ・・?」みたいな感じで、寒い中、乗客はじっと待っていました。「寒っ!!」