千畳敷と函館要塞

千畳敷

 「千畳敷」・・変わった名前でしょう・・。

 普通の家ならば、「八畳間」とか「六畳間」とか・・それが「千畳敷」ですよ。
 全国にも、この名称は少なからずあるようですが、この名の場所が函館山にあります。
 別に、函館山に「畳を千畳敷いてある」という訳ではありません。まぁ、名前の趣旨は、それだけの広い場所が函館山にあるよということです。

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冬の函館山

 

 さて、だいぶ前になりますが、NHKの「ブラタモリ函館山の旧要塞跡が取り上げられました。
 番組では、色々と当時の施設建設の歴史や概要を紹介していましたので、このプログラムをご覧になった方も多いと思います。 
 そして、この函館要塞跡が函館山の東側の、「千畳敷」付近にあるのです。
 この「千畳敷」の場所はというと、函館山ロープウェイ山頂駅から、尾根伝いに東の方へ歩いて10分程度のところにあります。


 位置的には、ざっと函館山の東の端のあたり、立待岬の上の方になります。
 函館山観光のついでに、ちょっとした寄り道程度で行ける場所にあります。

 したがって、季節の良い時には、是非、訪れてもらいたい場所です。ここは、山頂から見えるので、迷うことはない場所です。(ただ、残念ながら冬期間は、歩いては行けません)

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戦闘指令部内部跡(はこぶら)

函館要塞跡

 この函館要塞跡は、平成13年に「北海道産業遺産」として登録されました。なぜ産業遺産かというと・・その理由は、大規模軍事土木遺産としての稀少価値らしいです。
 元々、函館山にあった函館要塞は、日露戦争を想定した津軽海峡の防衛を目的として、函館山に大小4か所の砲台等が設置されたものです。


 当時は、函館山自体が陸軍の所轄となり、軍の最高機密でしたので、終戦後の1946年10月までは、一般市民の立入りは禁止! 写生・写真撮影なども一切禁止されたそうです。
 しかし、かつての北海道函館の防衛を担い、海峡を監視していた函館要塞の「28センチ榴弾砲台」ですが、結局、その大砲が発射されることはなく、現在は、その跡が残っているのみです。

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函館要塞(函館市立中央図書館)

 私が昔、祖母から聞いたところによると、「函館山は立入禁止のため、軍が『マムシ』を山に放った」とか・・。
 ただ、それは、単なる立ち入り禁止のための風評だったかも知れません。


 その証拠に、『マムシ』は、冬期極寒の函館や北海道には生息できませんので・・。と、思い実は調べてみたら、北海道にも『マムシ』はいるようです。

 恥ずかしながら、道産子の私も知りませんでした。
 これは当時、本当に放したのかもしれませんね。今は、いないはずですが・・。

 

 陸軍の砲台関連施設は、函館山散策コースの中に、数か所点在します。
 函館山の四季折々の豊かな自然と、日露戦争の廃墟の跡が混在する、興味深い散策コースですので是非お勧めです。
 函館観光の「穴場」とも言えます。

 そして、話は戻りますが、この函館山への立ち入りが一般に開放されたのは、戦後ですので、現在の「函館山ロープウェイ」で山頂に登れるようになったのも、実は1958年からのことです。

千畳敷スキー場

 そして、戦後は、今までは登れなかった函館山も、立ち入り禁止が解除されたため、当然、市民の興味をそそることになります。
 そして、函館山の砲台付近の「千畳敷」と呼ばれる笹薮のスロープは、市民のための、市民に最も身近な・・、なんと「スキー場」になりました。


 驚きましたか?

 函館山には、かつて「千畳敷スキー場」があったのです。
 当時の市民は、ロープウェイにスキーを担いで乗り、千畳敷スキー場でスキーを楽しみました。

 このため、最初の10年くらいは、千畳敷スキー場も大賑わいでした。
 しかし、残念ながら千畳敷スキー場には、「ロープトウ」(ロープにつかまって、そのまま傾斜を上がる簡単なリフト)も整備されることはありませんでした。


 また、その頃には、函館市近郊に別の快適なスキー場も幾つか整備されたため、千畳敷スキー場は次第に衰退していきました。
 何しろ、千畳敷スキー場では、滑ってはまた、スキーで歩いて登り、また滑る、の繰り返しでしたので、結構きついスキー場だったのを覚えています。

 

 当時、少年だった私は、千畳敷のスキー場が実質的に無くなってからも、スキーを持って、函館山にロープウェイで登りました。
 別に、誰もいなくなった千畳敷スキー場をこよなく愛していたわけではありません。
 何をしに行ったかというと・・旧山道(旧登山道)を、山頂からスキーで滑りに行ったのです。

 

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函館山登山コース(はこぶら)


 この旧山道は、現在の登山道とは違い、狭いうえに傾斜があり、結構スリリングで楽しかったのを覚えています。結構な数を滑った記憶があります。
 時には、一人で行きましたので・・あの当時、子供心に余程楽しかったのだと思います。
 そして、滑り終わってから、ロープウェイの山麓駅に着いて、クラッカーを頬張りつつ、ストーブで暖まってからスキーを担いで家に帰る、というパターンでした。

 

 もし、一般の方がスキーをもってロープウェイで上がり、旧山道をスキーで滑って降りてくるというのは・・、今はできるのでしょうか?
 現在、冬場の函館山山頂へは、規制があって、乗用車やバスでも登山道を登ることはできません。
 ロープウェイのみが登山手段ですので、旧山道などを滑ることは、安全で可能だと思います。


 ただ、これは、旧山道に限ります。何故なら、昔、車が少ない時代に、私は一度だけ登山道をスキーで滑り降りましたが、傾斜が緩くてスキーでは滑れなかったのを覚えています。


 もし、冬季に函館山旧山道滑走大会」なんてできたら、イベントとしては結構盛り上がるかもしれませんね。準備や支援するのは、大変だとは思いますが・・。
 何か、ちょっとした夢を感じます。