函館の旧丸井今井デパート

 函館の「丸井今井デパート」といえば、現在は市電の電停「五稜郭公園前」の真向かいにありますが、実はあそこは函館の「2号店」なんです。
 「えっ?それでは、函館『1号店』は今どこにあるの?」・・と、思いますよね。

 その1号店ですが・・、残念ながら、昭和44年に経営不振のため既に閉店しています。


 しかし、実はその建物は、ほぼ当時のまま、函館市やボランティアの方によって維持されているんです。

 場所は、ベイエリアの近くで、これがなかなかの隠れ観光スポットだと私は思います。

 そこで、今回は十字街にある「旧丸井今井デパート」に注目して紹介します。
 今回は画像が多めです。

 

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十字街の旧丸井デパート

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かつての丸井今井百貨店

 さて、「旧丸井今井デパート」は、昭和44年に閉店し、その後、平成14年までは、函館市の分庁舎として使われてきました。

 そして、現在は「函館市地域交流まちづくりセンター」になっています。しかし、驚くことに昭和初期の建物にも関わらず健在です。


 函館のベイエリア全てが津波で冠水した、平成23年の「東日本大震災」でも、平成30年の「北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)でもビクともしなかった建物です。
 それは、まさに函館西部地区「十字街のランドマーク」ともいえるもので、大正時代から昭和にかけて当時、東北以北で最大の都市であった函館の隆盛を見守ってきた建物です。
 ここがなぜ観光資産になっていないのか、私は今でも不思議です。
 
 では、前置きが長くなりましたが、その旧丸井デパートを紹介します。
 現「函館市地域交流まちづくりセンター」入り口の太い柱の間を通って、玄関から入ります。

 まず、この施設は、基本的に見学自由、写真撮影自由です。

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入り口正面の受付カウンター

 入ると、正面の大理石の柱を中心にに受付カウンターがあります。

 ただ、ここは交流センターですので、それぞれのイベントが各教室(会議室)で行われるような、「文化センター」の受付のようなものですので、気兼ねや遠慮はいりません。
 そして、受付カウンター周辺には観光パンフレットや様々な資料も置いてあります。

 入口右手には、喫茶コーナーもありますので、ちょっとしたコーヒーを楽しんだり、休んだりすることも可能です。


 さて、ここの観光資産的価値ですが、ざっくり言って「昭和初期のデパート」にタイムスリップできることです。奥には、なんと当時の「レトロなエレベータ」も現存しています。


 さて、入り口を入って、受付の方に軽く会釈をして左手奥に進んでいくと、ことのほか天井の高さが低く感じられます。


 更に奥に行くと階段があります。これは、当時のままの大理石の手すりの付いた木の床の階段です。手すりには金属製のモチーフも施されています。芸術的建築です。

 

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木製の階段と大理石の手すりと壁


 そして、各階の踊り場には様々な展示もありますし、踊り場の天井も手の込んだ装飾があります。
 私が訪れた時には、踊り場には明治初期の「八雲アイヌ」の写真がありました。

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明治初期の「八雲アイヌ」の写真資料

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同じくアイヌの女性

 私は、一応、最上階まで階段を上がり、1階まで降りたところで、1階の受付の方にお願いしてエレベータを動かしてもらいました。


 このエレベータというのが、操作には結構手のかかる代物で、それにもかかわらず気軽に応じていただいたので、感謝感激です。本当にありがとうございました!

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レトロなエレベータ

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ドアの開閉、各階への停止・運行まで全て「手動」

 このエレベータはオーチス製のもので、「ドア手動開閉」「各階手動停止」のなかなか練度のいる『スリリング』なエレベータでした。しかし、私は恥ずかしながら、オーチス・エレベータは、過去日本で事故も起こしているため、「落ちないで~」と、内心恐る恐るでした・・。


 エレベータの中には献金箱」もありましたが、私は生憎小銭の持ち合わせがなく、その旨を係の方に伝えました。あ手数をおかけしたのに、すいませんでした。

 リピーターの皆さんが、もし、エレベーターに乗ることがあれば、小銭を忘れずに持って行って下さいね。


 本当に、木製の床・階段と大理石も壁や手すりは、心をタイムスリップさせてくれました。

 私の場合は、木製の階段を見た時に、今は無き、明治生まれの私の祖母の面影を忍びました。

 祖母は、冬になると「雪下駄」を履いていました。「雪下駄」は下駄の下に「スパイク」のような鉄製の釘がある雪国独特の下駄です。それで、コンクリートリノリウムの床を歩くと冬場は滑ってしまう。したがって、その頃の函館の冬のデパートの床や階段は木製だったのです。


 元気のいい祖母の下駄は、夏場は、いつも前半分の歯が後ろより擦り減っていました。多分、下駄を履いて走ることが多かったからでしょう。
 そんなことを思い出しながら、私は旧丸井デパートを後にしました。

 函館観光のリピーターさんでも、多分ここには行ってない方が多いと思うので、今回紹介しました。


 函館観光リピーターさんにも、古いデパートには何かしらの思い出がありますよね。

 函館観光の際には、是非訪れてもらいたい場所です。

 

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4階踊り場にあった、「GLAY」コンサートに来た皆さんの寄せ書き