今頃の函館の気候と朝のライラック散策


 函館観光での、皆さんの楽しみにしているお昼のグルメは・・「ラッキーピエロ」「お寿司屋さん」「ラーメン」「海鮮丼」など、随分色々ありますね。
 でも、その観光の前に、ちょっと朝方・・早起きして、函館市内の西部地区を歩いてみては如何でしょう?


 他の観光客の方も少ない時間帯なので・・もちろん、足に自信のある方は軽いジョギングでも良いと思います。
 ただ、今時分の函館は、若干肌寒い日もありますので、一枚多く着るつもりで・・ちゃんと着込んでから行きましょう!

 

 ちなみに、この5月頃の寒さを北海道では「リラ冷え」と言います。この「リラ」とはフランス語のライラックのことで、ちょうどライラックの花が咲く時期に寒くなることを、道産子は「リラ冷え」と言っています。

 

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ライラックの花

 しかし、この「リラ冷え」という言葉ですが、何故、北海道では有名なライラックにちなんだ、分かりやすいライラック冷え」ではなく、「リラ冷え」なのでしょう。


 それは、作家の渡辺淳一氏の小説「リラ冷えの街」などの、文芸作品などの「リラ冷え」表現の影響が少なからずあるようです。

 そして、響きも、そのほうがちょっとロマンチックな感じがしますね。


 函館にも、この時期の「ライラック」を見られる場所が、実は函館元町公園付近にあります。

 

 それで、今頃の朝観光のコースですが・・気持ちは江戸時代前から明治時代頃に『バック・トゥー・ザ・パスト』して、ついでにライラック散策もしてみましょう。

 

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北海道第1歩の地碑(函館市 はこぶら)


 スタートは、箱館旧桟橋」の場所である「北海道第一歩の地碑」。

 この付近が、江戸時代から明治時代までの箱館の唯一の上陸地点です。
 「北海道第一歩の地碑」は、函館市電末広町」電停から海岸へ向かった場所にあります。


 そして、その地碑から道沿いに西へ進み、海上自衛隊を少し過ぎた辺りに「新島襄 海外渡航の地碑」があります。

 京都の同志社大学創始者である新島襄は、江戸時代に、ここから米国船舶に乗り込んで米国へ密航し、自らの志を貫きました。

 

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新島襄海外渡航の地碑 (函館市 はこぶら)

 では、そこから来た道を少し戻って、海上自衛隊の所まで。


 このグリーンベルトの中央に立つのが明治天皇御上陸記念碑」です。

 蝦夷地が江戸幕府直轄となり、その後の箱館戦争の後、明治政府は北海道開拓に力を注ぎます。その北海道を視察するため、天皇陛下が「行幸」された記念碑がここです。

 

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明治天皇御上陸記念碑 (函館市 はこぶら)

 では、そこから元町公園を目指し、電車道路を横切って「基坂」を上ります。
 すると、元町公園の手前右手側に「宇須岸河野館跡」があります。


 ここは15世紀頃に建設された「宇須岸河野館」(約100m四方)の跡ですが、16世紀に現地のアイヌとの抗争で敗れ、次にこの場所が活用されるのは18世紀に入ってからで、江戸時代の「亀田番所」になります。
 そして、坂を少し上って公園に入ると「箱館奉行所」跡があり、ここは、その後「北海道庁函館支庁」となります。

 

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基坂上の函館元町公園 (函館市

 この付近一帯は、明治時代までは、正に函館のみならず、北海道の行政の中心だった場所です。


 当時の、「基坂」の上から見える風景はどんな様子だったのでしょうか。

 元町公園の付近を散策し、朝日に生えるライラックの花を楽しみながら、ちょっとだけ想像してみるのも楽しいかもしれません。


 そして、帰りは元町公園の山側の道(旧函館公会堂の前の道)から東に向かって進み、古い建築物の「遺愛幼稚園」「カトリック本町教会」などの教会群を探訪して「八幡坂」を下りてくると、出発地から1本東寄りの岸壁に戻ります。 

 

 これからの北海道は、ずっと素晴らしい季節が続く・・はずですが、実は5月下旬から6月頃まで蝦夷梅雨」と呼ばれる現象が起こることがたまにあります。
 これはオホーツク低気圧の影響で、太平洋側では「海霧」が多く発生する時期と重なります。


 こうなると、どんより曇って、函館山は見えなくなりますし、津軽海峡の景色も下北半島が見えるどころか、「鈍色(にびいろ)」一色のつまらない景色になってしまいます。
 蝦夷梅雨」は、起きない年も多いのですが、起きてしまうと2週間程度続くこともありますので、その頃に観光に来た方には本当に残念です。


 是非、天候に恵まれることをお祈りしつつ、今回はこれでおしまいです。